山形と宮城を結ぶ山岳道路「蔵王エコーライン」。標高が上がるにつれて景色や空気が変化し、エメラルドグリーンの火口湖「御釜」や雄大な山々の景色を楽しめる、東北を代表するドライブコースです。
春の新緑、夏の涼風、秋の紅葉、冬の樹氷。季節ごとに異なる表情を見せる蔵王エリアは絶景やグルメ、温泉など、非日常を楽しめる立ち寄りスポットが点在しています。
そんな蔵王ドライブの楽しみ方を、山形に30年以上暮らすミライズエネチェンジ社員のYさんに聞きました!EV歴は2022年末からというYさん。今回はおすすめのモデルコースと合わせて、EVだからこそ感じる蔵王ドライブの魅力も紹介します。
■ お話を聞いた人:Yさん
ミライズエネチェンジ所属。EV PLUSの編集部員として、EVやおでかけに関する情報を発信。山形県出身・在住歴30年以上。
仕事を通じて県内各地を巡り、山形の四季や土地ならではの風景・食・温泉を知り尽くしているYさん。子どものころから見てきた景色でも、おとなになってあらためて訪れると新しい魅力に気付く——そんな発見の繰り返しが、山形への愛着をより深くしているといいます。
2022年末からEVに乗り換え、日々の移動やおでかけでもEVライフを満喫中。山形は通勤も買い物も週末のおでかけもクルマが欠かせない地域だけに、「静かで快適な走りのおかげで運転そのものが楽しくなった」と語ります。休日は子どもたちと自然の中へ出かけたり、季節ごとの食を楽しんだり、日帰り温泉でのんびりしたり——車内で音楽を流しながら一緒に歌う時間も、家族の大切なルーティンです。
Yさんコメント
「山形には、地元の人だからこそ知っているお気に入りの景色やお店がたくさんあります。普段何気なく通っている場所でも、季節や時間帯によって違う表情を見せてくれるので、新しい発見に喜んだり、変わらない景色に安心したり。何度でもドライブしたくなる楽しさがあると思います。 」
■ 蔵王エコーラインってどんな所?
山形と宮城を結ぶ全長26㎞の山岳道路「蔵王エコーライン」。標高が上がるにつれて景色や空気が変化し、新緑、高山植物、紅葉など季節ごとに異なる表情を楽しめる東北屈指のドライブルートです。

春の開通シーズンには「雪の壁」が話題になりますが、Yさんが特におすすめするのは初夏のグリーンシーズン。標高が上がるにつれて木々の背が低くなり、空が広がり、山の空気が肌で感じられるようになる——その変化そのものがひとつのアトラクションです。
EVとの相性も抜群。エンジン音がない分、山の風や鳥のさえずり、沢の流れが車内に伝わってくる。カーブが続く峠道でも回生ブレーキを使えばスムーズに速度調整でき、「EVってこんなに山道が楽なんだ」と実感できるドライブコースです。
Yさんコメント:
「山形市内が猛暑の日でも、蔵王を登っていくにつれて空気がひんやりしてくるんです。窓を開けると葉っぱのこすれる音や小鳥のさえずりが聞こえてきて——それを楽しめるのもEVの静かさのおかげかなと思っています。」
■ Yさんおすすめ!蔵王ドライブで立ち寄りたいスポット5選
ここからは、YさんがEVで実際に通っているお気に入りスポットをご紹介します。山形側から蔵王エコーラインを登り、宮城側へ抜ける「ドライブしながら楽しむ」1dayコース仕立てでお届けします。
① ZEN RIDING CLUB(ゼンライディングクラブ)

蔵王エコーラインのドライブをスタートする前に、まず立ち寄りたいのが上山市にある乗馬施設「ゼンライディングクラブ」。蔵王の自然を、馬の背中からいつもとは違う目線で楽しめる場所です。
「乗馬体験」と聞くと本格的でハードルが高そうに感じるかもしれませんが、ここではポニーから美しいサラブレッドまで体格に合わせて選んでもらえ、初めての方でも気軽に楽しめます。 予約なしで楽しめる曳馬(ひきうま)もありますが、Yさんが特におすすめするのが、山の中を馬の背中に揺られながら進む「外乗(がいじょう)コース」です。
馬たちは人に慣れていてとてもかしこく、「お客さんを乗せている」と分かっているかのように、山の中をゆったりと歩いてくれます。木漏れ日の中を馬の背中で揺られながら過ごす時間は、歩くのともクルマで走るのとも違う、特別な体験です。
厩舎ではヤギ・うさぎ・猫たちと触れ合うことができ、餌やりも楽しめます。家族だけでなく、友人やその家族と訪れることもあり、Yさんにとって何度も足を運ぶお気に入りのスポットのひとつです。


Yさんコメント:
「馬の背中は思っていた以上に高くて、同じ山の景色でも木々の見え方や空の広がり方がまったく違うんです。賢い馬たちと手綱を通してコミュニケーションしながら山の中を歩く時間は、30分でも本当に贅沢だなと感じます。」
▼ スポット情報
| 所在地 | 山形県上山市蔵王堀切山2555-1 |
| 外乗コース料金 | おとな8,000円/中学生以下7,000円(30分) |
| 予約 | 週末・連休は事前予約必須(公式サイト参照) |
| 公式サイト | https://zenridingclub.jp/ |
② 蔵王ライザレストラン(LIZA RESTAURANT)


乗馬で体を動かしたあとのランチは、蔵王エコーラインの途中にある「蔵王ライザレストラン」へ。冬はスキー場として人気の「蔵王ライザワールド」が、グリーンシーズンもレストランを営業しています。
おすすめは、本格的な石窯で焼くピザ。注文後に焼き上げるので生地はパリッと香ばしく、頬張るたびに「パリパリ」と音がするくらい軽い食感が楽しめます。Yさんのお気に入りはフレッシュトマトを使ったマルゲリータ。爽やかな酸味とチーズのシンプルな組み合わせが、高原の涼しい空気の中で食べると格別においしく感じられます。
Mサイズなら、Yさん一家では子ども2人がぺろりと平らげてしまうほど。ランチとして食べるのはもちろん、おやつ代わりにも楽しめる軽さが魅力で「ちょっと多いかな」と思ってもLサイズをおとな2人であっという間に完食してしまうそう。窓の外には、冬はゲレンデとなる広々とした草原が広がり、子どもたちが走り回れるのも嬉しいポイントです。
Yさんコメント:
「冬は、天気が良ければ家族でスキーをしに来ることも多く、お昼には必ずこのピザを食べます。テイクアウトもできるため、ゲレンデシーズンじゃなくても『あのピザが食べたいね』と話して、わざわざ買いに来ることもあるくらい大好きな味です。」
▼ スポット情報
| 所在地 | 山形県上山市蔵王坊平高原(蔵王ライザワールド内) |
| マルゲリータ(L) | 2,200円(イートイン) |
| 公式サイト | https://www.zaoliza.co.jp/smmr/restaurant/ |
③ 蔵王・御釜

蔵王エコーラインのハイライトともいえる絶景スポット「御釜」。エメラルドグリーンの火口湖は山形・宮城両県民にとっても特別な存在で、その鮮やかな湖面の色は一度見たら忘れられません。
有料道路「蔵王ハイライン」を進むと、駐車場のすぐそばに展望台があります。整備されたルートを歩くだけなら普段着でも気軽に訪れることができますが、Yさんがぜひおすすめしたいのが展望台から刈田岳山頂(標高1,758m)まで足を延ばすこと。御釜を見下ろすアングルはもちろん、反対側には飯豊連峰や朝日連峰まで一望できる雄大なパノラマが広がり、夏には高山植物の女王「コマクサ」も出迎えてくれます。


ただし山の天気は変わりやすく、エメラルドの湖面が見られるのは「3割くらい」と言われているそう。向かう前にライブカメラで確認してから出発するのがYさん流です。御釜周辺は夏でも涼しく風が強い日もあるので、薄手の羽織を一枚持っておくと安心。刈田岳山頂まで歩くならスニーカー以上の靴がおすすめです。
Yさんコメント:
「ライブカメラで確認してから向かったおかげで、久しぶりに美しいエメラルドの御釜を見ることができました。刈田岳山頂では山々が連なるパノラマを眺めながら、ぜひ深呼吸をしてみてください。大自然からパワーをもらえます。」
▼ スポット情報
| 所在地 | 山形・宮城県境(蔵王ハイライン経由) |
| 蔵王ハイライン | 有料(料金は公式参照)/冬季閉鎖あり |
| ライブカメラ | https://www2.thr.mlit.go.jp/shinjyou/zaou_live/video/okama-video.html |
| 公式サイト | https://www.zao-machi.com/sightseeing_spot/1.html |
④ 蔵王ハートランド(蔵王酪農センター)
御釜から宮城蔵王側へ下った所で立ち寄りたいのが「蔵王ハートランド(蔵王酪農センター)」。広々とした牧場の風景が広がる、蔵王らしいのんびりした雰囲気の休憩スポットです。
チーズ工場を擁し、蔵王チーズの購入はもちろん、チーズ・アイス・バター作りなどの体験も楽しめます。売店に並ぶ豊富な種類のチーズはお土産にもぴったり。でもYさんが特に推すのは、蔵王チーズオリジナルのチーズドリンク「MOLK(モルク)」。チーズホエイとクリームチーズを使った珍しいドリンクで、爽やかな甘さの中にしっかりチーズの風味が香る不思議なおいしさ。ハートランドに向かう途中の「チーズキャビン」でも楽しめ、「チーズハウス」ではフルーツを合わせたスムージーアレンジも。暑い季節のドライブ途中にぴったりの一杯です。

「こんな味もあるんだ!」と見ているだけで楽しい売店で、お気に入りのチーズを見つける時間も旅の醍醐味のひとつです。
Yさんコメント:
「MOLKはチーズ好きな方に絶対飲んでほしいドリンクです。爽やかなのにしっかりチーズ風味があって、ここでしか飲めない味。ブルーベリーアレンジも夏にぴったり。」
▼ スポット情報
| 所在地 | 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉字七日原251-4(蔵王酪農センター) |
| MOLKアレンジ | ブルーベリー540円〜(チーズハウス) |
| 公式サイト | https://heartland.zao-cheese.or.jp/ |
⑤ 遠刈田温泉 神の湯

一日の締めくくりは、宮城蔵王・遠刈田(とおがった)温泉の共同浴場「神の湯」へ。地元の方々に長く愛されてきた公共浴場で、穏やかでのんびりした空気が流れています。
浴室に入ると、まず目を引くのが木造づくりの大きな梁と高い屋根。歴史を感じるその佇まいに思わず見入ってしまいます。お湯は「ぬるめ(41〜42度)」と「あつめ(45度前後)」の2種類。ほんのり銅色がかった、とろりとした泉質はクセが強すぎず、蔵王の山道を走り抜けて疲れた体をじんわり包んでくれます。地元の方が「こんにちはー」と自然に声をかけてくれる雰囲気も心地よく、初めて訪れてもどこかほっとする場所です。
シャンプーやボディソープの備え付けはないので、持参するか券売機で購入できます。外には足湯もあり、時間がなければ気軽に温泉気分を楽しむことも。温泉利用者向けの無料駐車場が建物西側にあり、ドライブの途中でも立ち寄りやすいのが嬉しいポイントです。

Yさんコメント:
「蔵王の山道を走ったあとに入る温泉は本当に格別で、毎回「また来たいな」と思わせてくれます。ぬるめのお湯にゆっくり浸かりながら、浴室の大きな木の梁を眺めていると、旅の余韻がじんわり広がってきます。」
▼ スポット情報
| 所在地 | 宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉仲町32 |
| 入浴料 | おとな400円/子ども150円 |
| 営業時間 | 6:00〜21:30(詳細は公式参照) |
| 駐車場 | 建物西側に無料駐車場あり |
| 備考 | シャンプー・ボディソープの持参推奨。外の足湯は無料 |
| 公式サイト | http://toogattaspa.jp/kaminoyu.html |
■ 一日でぜんぶ巡れる!おすすめモデルコース
Yさんおすすめの「蔵王ドライブ1dayプラン」をご紹介しました。山形側から蔵王エコーラインを登り、宮城蔵王側へ抜けながら、乗馬・グルメ・絶景・温泉をたっぷり楽しむ欲張りコースです。
| スポット | 過ごし方 |
| ① ZEN RIDING CLUB (ゼンライディングクラブ) | 午前中の涼しい時間帯に乗馬体験。外乗コースで蔵王の大自然を全身で感じる |
| ② 蔵王ライザレストラン | 高原の景色を眺めながら石窯焼きピザでランチ |
| ③ 蔵王・御釜 | 蔵王エコーラインの絶景スポットへ。刈田岳山頂まで歩いて雄大なパノラマを堪能 |
| ④ 蔵王ハートランド (蔵王酪農センター) | 宮城蔵王側へ下ってソフトクリーム&MOLK(モルク)でひと休み。お土産探しも |
| ⑤ 遠刈田温泉 神の湯 | 歴史ある共同浴場でドライブの疲れをじんわり癒して一日の締めくくり |
■ モデルコース注意事項
- 蔵王エコーラインは冬季閉鎖があります。開通期間や天候状況は事前に確認しておきましょう。
- ZEN RIDING CLUBの外乗コースは人気のため、事前予約がおすすめです。
- 御釜はライブカメラで湖面の状況を確認してから向かうと安心です。また、御釜の駐車場は観光シーズンは混雑することが多いので、時間に余裕を持って行動を。
- ZEN RIDING CLUBで乗馬や外乗を体験する場合は、長袖・長ズボン・スニーカーなど動きやすい服装で参加しましょう。スカートやサンダル、ヒールはNGです。
- 御釜周辺は夏でも肌寒く風が強い日もあります。薄手の羽織を持参すると安心です。
- 刈田岳山頂まで歩く場合は、スニーカーやトレッキングシューズなど歩きやすい靴がおすすめです。
- 神の湯にはシャンプーやボディソープの備え付けがありません。タオルやせっけん類は券売機で購入できます。
■ まとめ
乗馬 → 石窯ピザ → 絶景火口湖 → 牧場チーズ → 温泉。この流れが一本の道でつながっているのが、蔵王エコーラインドライブの魅力です。
標高が上がるにつれて変わる景色と空気、エンジン音のないEVだからこそ届く“天然のヒーリングサウンド”。「ただ目的地へ向かう道ではなく、山を登っていく時間そのものを楽しめる」とYさんが語るとおり、蔵王エコーラインは走ること自体がアトラクションです。
地元の人が何度も訪れたくなる景色やグルメ、温泉を巡りながら、自分だけのお気に入りの蔵王ドライブを見つけてみてはいかがでしょうか。


