SUVは、日常の買い物や送迎から旅行、アウトドアまで幅広く使いやすく、人気の高いボディタイプです。EVでも各メーカーからSUVタイプのモデルが登場し、選択肢が広がっています。
なかでもミドルサイズのEV SUVは、長距離ドライブにも対応しやすい航続距離と、家族でのおでかけにも使いやすい室内・荷室の広さを備えているのが特徴です。一方、車種によって価格や航続距離、充電性能、快適装備などには違いがあり、どれを選べばいいか迷う方も多いでしょう。
この記事では、日産「リーフ」「アリア」、トヨタ「bZ4X」「bZ4X Touring」、テスラ「モデルY」の5車種を比較。価格や航続距離、充電・給電性能、室内の快適装備、運転支援などを比較するとともに、同じゴルフバッグ2個を実際に積み、荷室の使い勝手も検証しました。
EVの選び方から補助金、支払い方法、テスラの購入方法まで、EVを買う前・買うときに知っておきたいことは、『電気自動車(EV)の選び方|初めて買う人が後悔しないためのガイド』で詳しく紹介しています。

価格を比較
| 車両価格 | CEV補助金 | 補助金適用後の価格 | |
|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | 438万9,000円 ~695万2,000円 | 129万円 (2027年1月以降:100万円) | 309万9,000円 ~566万2,000円 (2027年1月以降:338万9,000円~595万2,000円) |
| 日産 アリア | 667万5,900円~951万600円 | 103万2,000円 ~129万円 (2027年1月以降:80万円~100万円) | 538万5,900円 ~847万8,600円 (2027年1月以降:567万5,900円~871万600円) |
| トヨタ bZ4X | 480万円~600万円 | 130万円 | 350万円~470万円 |
| トヨタ bZ4X Touring | 575万円〜640万円 | 130万円 | 445万円〜510万円 |
| テスラ モデルY | 558万7,000円~647万6,000円 | 127万円 | 431万7,000円~520万6,000円 |
ミドルサイズSUVのEVは、上限の130万円、またはそれに近いCEV補助金を受けられる傾向があります。なかでもbZ4XとbZ4X Touringは130万円の補助対象です。
一方、リーフとアリアは、2027年1月以降はCEV補助金が引き下げられる点に注意が必要です。リーフは129万円から100万円、アリアはグレードによって103万2,000円〜129万円だった補助額が80万円〜100万円となります。車両の登録時期によって補助額が変わるため、購入を検討する際は登録予定日を確認しておきましょう。
さらに東京都では、国のCEV補助金に加えて、リーフ・アリア・bZ4X・bZ4X Touringは90万円、モデルYは70万円の補助を受けられます。東京都のEV補助金については『東京都のEV・PHEV補助金が拡充!車種別補助額一覧【2026年最新版】』で詳しく紹介しています。

航続距離・バッテリーを比較
| 航続距離(WLTC) | バッテリー容量 | 実際に走れる距離の目安※ | |
|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | B5:469km~521km B7:685km~702km | B5:55kWh B7:78kWh | B5:400km前後 B7:550km前後 |
| 日産 アリア | B6:460~470km B9:610~640km | B6:66kWh B9:91kWh | B6:370km前後 B9:500km前後 |
| トヨタ bZ4X | G:544km Z:687km~746km | G:57.72kWh Z:74.69kWh | G:435km前後 Z:570km前後 |
| トヨタ bZ4X Touring | 690~734km | 74.69kWh | 560km前後 |
| テスラ モデルY | 547km/682km | 非公表 | 440km前後/550km |
※普通の運転では、実際に走れる距離はWLTCモードの約8割が目安です。走行環境やエアコンの使用状況などによって変動します。
EVはカタログに記載されているWLTCモードの航続距離をそのまま走れるわけではありません。普段の運転ではカタログ値の8割程度を目安に考えておくと、充電計画が立てやすくなります。
今回比較する5車種は、8割程度を目安にしても400km前後走行できる計算で、旅行や遠出にも使いやすい航続距離があります。さらにロングドライブで航続距離に余裕を持たせたい場合は、リーフならB7、アリアならB9、bZ4XならZ、モデルYならロングレンジなど、航続距離の長いグレードを選ぶのも選択肢です。
「カタログ値の8割」を目安に考える理由や、EV選びで重視したいポイントは、こちらの記事で詳しく解説しています。

充電性能を比較
| 急速充電の最大受入電力 | 普通充電の最大受入電力 | バッテリーコンディショニング機能 | |
|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | 150kW | 6kW | 〇 |
| 日産 アリア | 130kW | 6kW | 〇 |
| トヨタ bZ4X | 150kW | 6kW | 〇 |
| トヨタ bZ4X Touring | 150kW | 6kW | 〇 |
| テスラ モデルY | 175kW/250kW | 11kW | 〇 |
今回比較する5車種は、いずれも130kW以上の急速充電に対応しており、旅行や遠出の途中でも短時間で電気を補充しやすくなっています。
ただし、急速充電はいつでも最大受入電力で充電できるわけではありません。特に冬場などバッテリーが冷えていると、充電速度が遅くなることがあります。そこで役立つのが、充電前にバッテリーを適した温度に調整する「バッテリーコンディショニング機能」です。今回比較する5車種はいずれもこの機能を備えており、冬場のロングドライブでも急速充電の性能を引き出しやすくなっています。
普通充電と急速充電をどのように使い分けるのか、また、それぞれの特徴については「普通充電と急速充電の違い」で詳しく解説しています。

給電性能を比較
| V2H | V2L | AC100Vコンセント | |
|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | 〇 | 〇 | △ オプションで設定可能 |
| 日産 アリア | 〇 | 〇 | × |
| トヨタ bZ4X | 〇 | 〇 | 〇 |
| トヨタ bZ4X Touring | 〇 | 〇 | 〇 |
| テスラ モデルY | × | × | × |
V2HはEVのバッテリーにためた電気を住宅へ、V2Lは家電などへ給電できる仕組みです。今回比較する5車種では、日産・トヨタのEVはV2H・V2Lの両方に対応しています。
V2Lを利用するための給電コネクターは、リーフ・アリアでは「AC外部給電コネクター」、bZ4X・bZ4X Touringでは「ヴィークルパワーコネクター」が全グレードに標準装備されています。また、bZ4X・bZ4X Touringは荷室にAC100Vコンセントを備え、走行中でも利用できます。
一方、モデルYはV2H・V2L、AC100Vコンセントには対応していません。
室内・快適装備を比較
| 室内寸 | 前席シートヒーター | 後席シートヒーター | シートベンチレーション(前席) | |
|---|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | 室内長:1,970mm 室内幅:1,540mm 室内高:1,160mm | 〇 標準装備 | △ オプション | × |
| 日産 アリア | 室内長:2,075mm 室内幅:1,540mm 室内高:1,210mm | 〇 標準装備 | 〇 標準装備 | △ オプション |
| トヨタ bZ4X | 室内長:1,935mm 室内幅:1,500mm 室内高:1,145mm | 〇 標準装備 | △ グレードによる | △ グレードによる |
| トヨタ bZ4X Touring | 室内長:1,935mm 室内幅:1,500mm 室内高:1,145mm | 〇 標準装備 | △ グレードによる | △ グレードによる |
| テスラ モデルY | 非公表 | 〇 標準装備 | 〇 標準装備 | 〇 標準装備 |
ミドルサイズSUVは旅行や遠出など長時間乗る機会も多いため、室内の広さだけでなく、快適装備もチェックしておきたいポイントです。
前席シートヒーターは5車種すべてに標準装備されています。一方、後席シートヒーターや、夏場にシートの蒸れを抑えるシートベンチレーションは、車種やグレードによって装備の有無が異なります。後席は5車種すべてで背もたれの角度を調整でき、モデルYのみ電動でリクライニングできます。
荷室を比較【編集部検証】
荷室の使い勝手は、同じゴルフバッグ2個を使い、同条件でEV PLUS編集部が実車検証しました。
| 荷室サイズ (幅×奥行×高さ) | 荷室容量 | 最大荷室容量(後列格納時) | |
|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | 幅:1,305mm 奥行:860mm 高さ:770mm | 420L | – |
| 日産 アリア | 幅:1,387mm 奥行:973mm 高さ:682mm | 2WD:466L 4WD:408L | – |
| トヨタ bZ4X | 幅:1,288mm 奥行:985mm 高さ:757mm | 410~421L | 611L |
| トヨタ bZ4X Touring | 幅:1,404mm 奥行:1,092mm 高さ:850mm | 543L | 1,240L |
| テスラ モデルY | – | 949L | 2,118L |
日産 リーフ

1個目のゴルフバッグは横向きに、2個目は手前のくぼみを使って奥に向かって斜めに積載。後席を倒さずに2個を収めても、荷室にはまだ余裕があります。

荷室の床面は開口部より低く、ゴルフバッグを2個積んでも、その上や周囲にスペースが残ります。隙間にシューズバッグを入れたり、ゴルフバッグの上に着替えなどを入れたボストンバッグを重ねたりできそうです。
日産 アリア

ゴルフバッグ2個を横向きに並べて積載できました。2個を置いても荷室の床面には余裕があり、ほかの荷物を置けるスペースが残ります。

2個を積んでも、後席側にはゴルフバッグ1個分ほどの奥行きが残りました。日産公式では、9.5インチのゴルフバッグを3個積載できるとしています。
トヨタ bZ4X

bZ4Xはリーフやアリアより荷室幅の数値は小さいものの、ゴルフバッグ2個をきれいに横向きに並べて積載できました。

奥に詰めて積載してみました。後席側はやや幅が狭くなるため、奥側のゴルフバッグは少し斜めに置く必要があります。それでも手前には大きなスペースが残りました。トヨタ公式では、9.5インチのゴルフバッグをZは3個、Gは4個積載できるとしています。
トヨタ bZ4X Touring

bZ4X Touringは荷室幅が1,404mmあり、ゴルフバッグ2個を横向きに並べても、左右に余裕が感じられました。

bZ4Xより荷室の奥行きが約10cm長いbZ4X Touringは、ゴルフバッグ2個を積んでも手前に大きなスペースが残りました。トヨタ公式ではゴルフバッグ4個を収納できるとしており、2〜3人でゴルフ旅行に出かける場合でも、それぞれの旅行かばんまで余裕を持って積めそうです。
テスラ モデルY

通常の荷室では、1個目のゴルフバッグを横向きに、2個目を奥に向かって斜めに積載しました。

荷室のフロアパネルを外すと、約40cmの深さがある床下収納が現れます。

フロアパネルを外して床下収納を活用すると、ゴルフバッグ2個を立てた状態で積載できました。床下の深さを生かした、モデルYならではの荷室の使い方です。
運転のしやすさを比較
| 最小回転半径 | ワンペダル走行 | 高速道路での運転支援 | |
|---|---|---|---|
| 日産 リーフ | 5.3m | 減速のみ | 標準搭載 |
| 日産 アリア | 5.4m | 減速のみ | 標準搭載 |
| トヨタ bZ4X | 5.6m | 減速のみ | 標準搭載 |
| トヨタ bZ4X Touring | 5.6m | 減速のみ | 標準搭載 |
| テスラ モデルY | 非公表 | 完全停止 | 標準搭載 |
5車種とも高速道路での運転支援機能を標準装備しており、長距離ドライブでの運転負担を軽減できます。リーフとアリアでは、一定の条件下でハンズオフ走行ができる「プロパイロット2.0」も選択可能です。
また、モデルYは5車種で唯一、アクセルペダルを戻すだけで完全停止までできるワンペダル走行に対応しています。テスラはOTAによるソフトウェアアップデートにも対応しており、納車後も車両の機能が継続的に更新されるのも特徴です。
EV SUV選びでチェックしたいポイント
今回比較した5車種には、それぞれ異なる強みがあります。
- 価格を重視するなら、リーフやbZ4Xが候補です。 どちらもCEV補助金を適用すると300万円台から購入できます。ただし、リーフは2027年1月以降に新車登録された車両から補助額が引き下げられるため、登録時期には注意が必要です。
- 航続距離を重視するなら、リーフB7やbZ4X Z、モデルY ロングレンジなどが候補です。 普段の運転でカタログ値の8割程度を目安に考えても、500km以上の走行が見込めます。
- 荷室の広さを重視するなら、bZ4X TouringやモデルYが候補です。 bZ4X Touringはゴルフバッグ2個を積んでも大きなスペースが残り、公式では4個を収納可能。モデルYは大容量の荷室に加えて、深い床下収納も活用できます。
- 給電性能を重視するなら、日産・トヨタの4車種が候補です。 いずれもV2H・V2Lに対応しています。なかでもbZ4XとbZ4X Touringは荷室にAC100Vコンセントを備え、走行中も利用できます。
- ハンズオフ走行を重視するなら、リーフやアリアでは「プロパイロット2.0」を選択できます。 一定の条件下で高速道路の同一車線内をハンズオフで走行できます。
今回比較した5車種は、いずれも旅行や遠出に使いやすい航続距離と充電性能を備え、実車検証ではゴルフバッグ2個を後席を倒さずに積載できました。一方で、価格や荷室の使い勝手、給電機能、運転支援などには違いがあります。自分がどんな場面でEVを使いたいかを考えながら、優先するポイントを絞って選んでみてください。
参考:各公式サイト
