通勤の1時間が「乗っているだけ」に変わった。トヨタ86を10年愛したMさんが語る、片道70kmEV通勤のリアル

EVへの関心は高まっていても、「本当に運転がラクになるのか」「自宅充電は面倒ではないか」といった不安から、なかなか踏み出せていない方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、茨城県在住・40代のMさん。20代でホンダ ストリームに乗り、30歳からはトヨタ 86を10年間・25万km乗り続けてきた、根っからの車好きです。EVへの乗り換えを検討したきっかけは片道70km以上というハードな通勤距離。ハイオク仕様の86のガソリン代に頭を悩ませ続けた末、2026年に日産リーフへ乗り換えました。

スポーツカーからEVへ。一見正反対の選択に思えますが、Mさんが語ってくれたのは「プロパイロット」による通勤疲労の激減と、自宅充電がもたらす想像以上の快適さでした。マニュアル車を操る楽しさを知る人だからこそ気づけた、EVのリアルな魅力を伺います。

今回お話を伺った方:Mさん(茨城県在住、40代、男性)

  • 家族構成:妻、子ども2人
  • 職業・通勤:医師。片道70km以上を毎日通勤(ほぼ高速道路)
  • 自宅の充電環境:6kWの充電設備を設置(深夜電力プランを活用)
  • 愛車:日産 リーフ(2026年〜)、トヨタ ノア(家族用)
  • これまでの愛車:ホンダ ストリーム → トヨタ 86(10年・25万km)

― これまでどのような車に乗ってこられましたか?

最初の車は、実家にあった中古のホンダ ストリームでした。30歳でトヨタ86に乗り換えて、それを10年間乗り続けています。そして今年、日産リーフに乗り換えました。自分名義の車としては3代目になります。

― EVへの乗り換えを考えたきっかけは何でしたか?

本格的に次の車を探し始めたのは去年の暮れごろですが、乗り換え自体はずっと考えていました。5年前に勤務先が変わり、それまで自宅から2、3kmだった通勤距離が、片道70km以上になりました。今は通勤のほとんどを高速道路で移動しています。86はハイオク仕様なので、毎日往復150kmを走るとなるとガソリン代もかなりのもの。「次はハイブリッドかEVだろうな」というのは、ずっと感じていました。86を買った30歳のころは、かっこいいスポーツカーに乗りたいという気持ちが一番でしたし、職場も家の近くだったので燃費はあまり考えていませんでした。長距離通勤になった5年前から、少しずつ考え方が変わってきましたね。

以前の愛車トヨタ 86

― 最初はEVにどんな印象を持っていましたか?

正直、不便だろうなというイメージはありました。充電スポットの数もよく知りませんでしたし、5年前は今より少ない印象がありました。ガソリンスタンドのようにパッと見つけられないイメージと、充電に時間がかかるという点で、「サッと寄って帰る」という使い方はできないだろうなと思っていました。

― 車選びではどんな候補がありましたか?最終的な決め手は?

ハイブリッドも含めていろいろ見ていて、スバルのクロストレックや日産のエクストレイルなど、SUVが欲しかったんです。最終的にはクロストレックかリーフかという二択になりました。EVに乗っている知人の薦めも大きかったですし、「本当にランニングコストや環境負荷を考えるなら、やっぱりEVだろう」というところが決め手でしたね。補助金が大きく出たこともあり、価格面でもかなり納得できました

― 自宅の充電環境はどのように整えましたか?

自宅を建てたときにEV充電用の3kWコンセントはつけていたのですが、結局それは使わず、新たに6kWの充電器を設置しました。毎日の長距離通勤を考えると3kWだと少し心もとないんです。夜帰ってきて充電し、朝乗れる状態にしておきたかったので、6kWは必要だろうと判断しました

新たに設置した6kWのEV充電器

― 実際の充電頻度や電気代はどうですか?

カタログ値では満充電で700km走れるので、毎日充電する必要は全くなく、2日に1回くらいのペースです。6kWの充電器を設置したタイミングで、 東京電力から深夜帯の電気料金が安い電力会社に切り替えました。深夜1時から5時は電気代が半額くらいになるので、残量が30%を切ったタイミングで充電し、60%を超えていたらそのまま使う、というサイクルでまわしています。電気代は月に1万円ほど上がりましたが、それまでガソリン代が月4万円ほどかかっていたので、初期投資を含めてもトータルでは相当な節約になっています

― プロパイロットの使用感はいかがですか?

これは本当に衝撃的でした。体の面でも圧倒的にラクですし、ストレスがなくなったという意味でも大きいですね。特に疲れて夜に帰るとき、「これから1時間近く運転する」というのは正直かなりのストレスだったんです。それが、疲れている日でも安心感を持って運転できる。高速道路に乗ってしまえば、時速100kmに設定して先行車について行ってもらうだけ。ハンドルは握っておく必要がありますが、軽く触れているだけでも認識してくれるので、音楽を聴いたり考え事をしたり、空いた時間を有効に使えるようになりました。

往復150km通勤の頼もしい相棒

― 86からの乗り換えで、運転の感覚に違いはありましたか?

86にあった地を這うようなスポーツカーの感覚はなくなりましたが、その代わりにものすごく滑らかでスムーズ。一度その感覚を知ってしまうと手放せなくなりますね。静かさも驚くほどで、妻が「以前は車が角を曲がった時点で帰ってきたと分かったのに、今は車庫に着いても気づかない」と言うほどです。86を手放すときは寂しさもありましたが、実際にリーフに乗ってみるとその快適さが上回りましたし、10年・25万km走って十分満足できたという気持ちもありました。

― 想像と違った点はありますか?充電作業の手間はどうですか?

プロパイロットでの運転がここまでラクだとは、正直想像以上でした。それから、ガソリンスタンドに寄らなくていいというのが、思っていた以上にストレスを減らしてくれています。朝の忙しい時間に「ガソリンを入れなきゃ」と並んで待つことが週に1、2回はあったので、それが完全になくなったのは大きいですね。充電作業自体も、もっと面倒なものだと思っていましたが、車庫でコードを伸ばして挿すだけで準備は2秒で終わります。Nissan Connectのアプリで充電開始時刻も設定できるので、電気料金が安くなるタイミングに合わせて充電するのも簡単です。

― 今後の計画や、これからEVを検討している方へのメッセージをお願いします。

普段、家族旅行は新幹線を利用することが多いのですが、リーフでの遠出に挑戦してみたいですね。 運転にエネルギーを使わない分、行った先の時間そのものを楽しめるんじゃないかと楽しみにしています。人それぞれ置かれている状況は違うと思いますが、私の経験から言うと、思っていた以上に快適で便利です。自宅充電があるからというのも大きいですが、これからEVが主流になっていくと信じています。ぜひチャレンジしてみてほしいと思います。

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