電気自動車(EV)の自宅充電は必要? 設備選び・充電頻度・バッテリーケアまで解説

ミライズエネチェンジの公式キャラクター・ミラまるとチャーすけ、編集部員のユミが電気自動車(EV)の素朴な疑問を専門家に聞くシリーズ「ミラまる&チャーすけの教えてEV」。

EV購入を検討している方や乗り始めたばかりの方の多くが不安に感じるのが「充電」です。

「自宅に充電器は必要?」「毎日充電しないといけないの?」「充電は何%までが正解?」

実は、EVに乗り慣れてしまえば自然と自分なりの充電ペースができてきます。しかし、その感覚がつかめるまでは、「この充電スタイルで本当に合っているのかな?」と迷うことも少なくありません。

今回は、自宅にEV充電用の200Vコンセントを設置しているEVsmart寄本編集長に、自宅充電設備の選び方から日々の充電ルーティン、バッテリーを長持ちさせるコツまで、実体験を交えて教えてもらいました。

この記事で扱う「普通充電」と「急速充電」

  • 普通充電
    自宅や商業施設などで数時間かけて充電する方法。この記事で紹介する200Vコンセントや6kW充電器も普通充電に含まれます。
  • 急速充電
    高速道路のSA・PAや道の駅などに設置されている充電器で、30分程度で充電する方法。外出先での継ぎ足し充電によく利用されます。

※この記事では主に「自宅での普通充電」の考え方や使い方を紹介します。

外出先での充電方法やEV旅行の前の準備や宿選びについてはこちらの記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

登場人物

EVsmart編集長・寄本さん
EVsmart寄本編集長
日本のEV黎明期からEVsmartブログで発信を続けるスペシャリスト。愛車はヒョンデKONAカジュアル。
ミラまる
ミラまる
のんびりお出かけが好きなねこの女の子。観光やグルメが趣味。
チャーすけ
チャーすけ
元気いっぱい、EVとかけっこするのが好きないぬの男の子。
編集部ユミ
編集部ユミ
EV歴3年のユーザー。自宅にEV用充電コンセントあり。EV購入の相談を受けることが多い。
目次

自宅充電って必要? 充電設備の種類と費用

EV充電用200Vコンセント
編集部員ユミ

EVを購入するときに、「自宅に充電器をつけなきゃいけないの?」と気にする方は多いですよね。クルマ本体だけでなく、充電設備の費用もかかるとなると、ハードルが高く感じる方も少なくない印象です。

寄本編集長

もちろん自宅充電がなくてもEVに乗ることはできます。ただ、EVやPHEVに乗り換えるなら、特に戸建ての場合は、何はともあれ自宅に充電設備をつけましょう、と購入検討者にはいつも話しています。設置費用が少しかかったとしても、その後のEVライフが全く変わってきますから。

編集部員ユミ

たしかに給油に出かける手間がなくなったのは大きな変化です。実際、自宅の充電環境を整えるのに、どのくらいの費用感で考えるといいんでしょう? 

寄本編集長

大きく3つの選択肢があって、「200Vコンセント(約3kW)」「専用充電器(ケーブル付きで6kW~が主流)」「V2H(Vehicle to Home)」に分かれます。

チャーすけ

おうちで充電すると言っても、いろんな種類があるんだ!

寄本編集長

機器本体の値段でいうと、200Vコンセントは1万円未満で一番お手軽です。
専用の6kW充電器になると機器代だけでも20〜30万円程度V2Hは補助金を活用しても100万円規模の投資になります。

編集部員ユミ

工事費はどうやって考えればいいですか?

寄本編集長

充電器をつけるだけの工事であれば、目安としては、分電盤からの配線距離「1メートルあたり1万円程度」と考えておくといいですよ。

ただ、工事内容はケースバイケースです。
壁に沿ってシンプルに配線できる場合もあれば、駐車場の位置によっては、地面に穴を掘って配線を埋設するような工事が必要になるケースもあります。そのあたりは、工事事業者さんと相談しながら決めていく形になりますね。 

ミラまる

おうちによって、工事のやり方も変わるんだね。

寄本編集長

あと、重要なのが電力契約の容量です。
6kWの充電器を使うと200Vで30Aを消費するので、ブレーカーが落ちないか確認が必要です。
また、オール電化のご家庭は最初から割と大きめの契約をしているケースが多いのですが、20Aや30Aぐらいの契約だと、電力の契約容量を上げる必要が出てきて、基本料金が上がる場合があります。

編集部員ユミ

コンセントタイプか、専用充電器か、V2Hか……どうやって選ぶといいんでしょう? 

寄本編集長

基本的に、コストパフォーマンスを考えるなら、コンセントタイプで十分だと私は思います。しかも、2026年は戸建て住宅向けの200Vコンセント設置に、国から上限5万円の補助も出るようになったので、ありがたいですよね。 

ただ、毎日通勤で往復100km走る方や、100kWh近いような大きいバッテリーを搭載したEVをお持ちの方は、6kWもしくは8kW以上の専用充電器を検討してもいいかもしれません。専用充電器はケーブル付きだし、スマホでコントロールできるなど便利な機能が付いているものもあります。

編集部員ユミ

9kWクラスになると、充電はかなり速くなる一方で、電気契約の見直しが必要になるケースが多くなりそうですね。

寄本編集長

そうですね。あと、普通充電対応出力が3kWや6kWが上限の車種もあるから、事前に確認しておくのがいいですね。とはいえ、自宅に充電器があるとEVライフが圧倒的に便利になります。
太陽光発電を導入している住宅なら、定置型蓄電池も設置して、EVを軸にした再生可能エネルギーの利用環境をV2Hで整えるのも良いと思います。 

6kWのEV専用充電器

EVは毎日充電するの? 自分に合った充電ペースを見つけよう 

チャーすけ

おうちに充電器が付いたら毎日充電するの?

寄本編集長

毎日充電する必要はないですよ。
ガソリン車だって「半分切ったら給油する人」もいれば「エンプティランプが点いてから入れる人」もいますよね。ただ、EVは毎回満充電にする必要が全くないです。それぞれのライフスタイルに合った最適な充電タイミングが、乗り続けるうちに自然と見えてきます。

編集部員ユミ

寄本さんご自身はどうされているんですか?

寄本編集長

私の場合は、バッテリー残量が50%を下回ったら、上限80%に設定して料金の安い深夜電力の時間帯(23時~5時)に予約充電するようにしています。6時間の充電で約40%分を補給できるので、おおむね80%に到達する計算です。これで大体、週に1回くらいのペースになりますね。

寄本さんの自宅での充電の様子
ミラまる

どうして50%が目安なの?

寄本編集長

私の乗っているヒョンデKONAカジュアルだと、50%くらいでも200km程度は走れるんです。
ただ、40%を下回る状態にしてしまうと、急に遠出の予定が入ったときに、途中で充電しなきゃいけなくなることもある。 急いでいるときにそうなると、「これだからEVは~」と家族に言われかねないので(笑)、そこは気をつけています。 

編集部員ユミ

なるほど……!「走れなくなる不安」というより、“急な遠出でも困らない状態”を保っている感覚なんですね。 

寄本編集長

うちは200Vコンセントなので、深夜電力の時間帯に6時間充電しても、40%くらいしか戻らないんです。
だから、たとえば10%近くで帰宅すると、翌朝になっても50%くらいまでしか回復しない。もう一晩充電しなきゃいけなくなるのは、ちょっと面倒ですよね(笑)。

編集部員ユミ

私はそういうとき、二晩に分けて充電するか、日中に充電することもあります。そこまで厳密には管理していないですね(笑)

寄本編集長

もちろんそれでもいいんだけど、時間に余裕があって充電器も混んでいなければ、海老名など近隣のSA/PAで“エキストラ充電”をして帰ることもあります。

チャーすけ

“エキストラ充電”ってなあに?

寄本編集長

いや、私の造語なんだけど、少しだけ急速充電してバッテリー残量を40~50%に戻すんです。そうすると、一回の深夜充電だけでまた80%近くまで戻せるというわけ。

編集部員ユミ

なるほど、“追加で少しだけ充電”するんですね。 でも、それは充電カード※の活用が前提ですよね?

寄本編集長

たしかに充電カードの存在は大きいですね 。
私が契約している日産の充電カード「ZESP3」には毎月100分間の急速充電の利用料が含まれている(プランによって異なります)ので、その無料枠を活用しています。

ミラまる

同じようにおうちに充電器があっても、人によって、充電の仕方って全然違うんだね。

※充電カード:月額料金を支払うことで、提携する充電器を会員料金で利用できるサービスのこと。利用頻度に応じてさまざまなプランがあります。

充電を80%で止めたほうがいい理由

チャーすけ

でもさ~、どうして80%で充電を止めるの?100%まで充電したほうがたくさん走れていいんじゃない?

寄本編集長

そう思いますよね。でも、多くのEVで使われている三元系バッテリーは100%まで充電した状態で長時間放置すると、劣化が進みやすいとされています。
だから普段使いでは80%くらいを上限にしておくのがおすすめなんです。

KONAの充電設定画面
編集部員ユミ

最近のスマホにもバッテリー保護機能として、充電上限を設定できる機能がありますよね。考え方としては近そうです。 

ミラまる

じゃあ100%まで充電しちゃダメってこと?

寄本編集長

そんなことはありません。
遠出の前夜は私も気持ちよく満充電にしています。満充電のまま何日も放置するのがよくないのであって、翌日すぐに使うなら問題ありません。 

チャーすけ

なるほど!普段は80%、遠出の前だけ100%って考えればいいんだね! 

バッテリーを長持ちさせるために気をつけること

編集部員ユミ

充電以外で、ほかにバッテリーを長持ちさせるために気をつけることがあれば、ぜひ教えてください!

寄本編集長

大きく2つあります。
ひとつは「炎天下での放置を避けること」。真夏にバッテリーが高温にさらされ続けると、劣化が進みやすくなります。
理想はカーポートの設置ですが、難しければ遮熱カバーをかけるだけでも違うと思います。

ミラまる

夏のつらい暑さはバッテリーにも良くないんだね。

チャーすけ

もうひとつは?

寄本編集長

バッテリーをほぼ空っぽに近い状態で放置しないことです。満充電の放置と同様、残量ゼロに近い状態での長期放置もバッテリーにはよくない。10%以下になったらすぐ充電するイメージで使うのがおすすめです。

チャーすけ

ぼくたちも、お腹パンパンも、のどカラカラも、ずっとはつらいもん。EVも同じなんだね!

自宅に充電器がない場合はどうすればいい?

ミラまる

おうちに充電器を設置できない人はどうするの?

寄本編集長

まずは、自宅の近くにどんな充電スポットがあるのかを調べることですね。それによって話は全く変わってきます。
たとえば、使いやすい急速充電器が近くにあれば、こまめに30分程度充電して80%くらいまで回復させる使い方ができます。

ただ、急速充電はどうしても料金が高くなりがち。よく行くスーパーやショッピングモール、スポーツジムなどに普通充電器があるなら、それをじょうずに活用したほうがいいですね。

編集部員ユミ

買い物や運動をしている間に充電できれば、充電のためだけに時間を作らなくて済みますね。

寄本編集長

そうなんです。
たとえばエネチェンジパスポートのようにお得な定額料金で使える普通充電器が近くにあるなら、それを活用しない手はありません。自分の生活動線の中にある充電スポットを見つけることが大切です。

編集部員ユミ

公共充電をメインで使う場合、充電カードは持っていたほうがいいですか?

寄本編集長

急速充電を利用する機会が多いなら、e-Mobility Powerの充電カードなどは検討してもいいと思います。ビジター利用より都度の充電料金が安くなりますからね。
自分がどのくらい、どんな場所で充電するのかに合わせて判断するのがおすすめです。

編集部員ユミ

でも、急速充電ばかり使うとバッテリーが傷みやすいという話も聞きます。

寄本編集長

最近のEVは急速充電による劣化を過度に心配しなくてよいとメーカー各社が言っています。
もちろん急速充電で毎回満充電を目指すような使い方はおすすめしませんが、日常的に急速充電を利用すること自体は大きな問題ではありません。

【まとめ】EVの充電は「自分の生活に合わせて考える」

チャーすけ

なんだか、EVの充電って思ったより自由なんだね!

寄本編集長

そうですね。「毎日充電しなきゃいけない」とか「自宅充電がないと乗れない」と思われがちですが、実際は生活スタイルに合わせていろんな選択肢が増えてきているってことだね。

EVの日常充電のポイント

  • 戸建てなら、まずは200Vコンセントの設置を検討する
  • 毎日充電する必要はなく、自分に合った充電ペースを見つければよい
  • 普段は80%程度までの充電がおすすめ
  • 遠出の前日は100%まで充電しても問題ない
  • バッテリーを長持ちさせるには「満充電放置」と「残量ほぼゼロ放置」を避ける
  • 自宅充電が難しい場合は、生活圏の充電スポットを活用する
  • 急速充電による劣化は過度に心配しなくてよい
ミラまる

充電の仕方に「これが正解!」っていうひとつの答えがあるわけじゃないんだね。

寄本編集長

そのとおりです。まずは自分の生活の中で使いやすい充電方法を見つけること。EVの充電は、慣れてしまえば思っているよりずっとシンプルですよ。

ミラまる&チャーすけ

寄本さん、たくさん教えてくれてありがとう!

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