『秘密のケンミンSHOW』など数々の人気番組でリサーチ・構成に携わってきたライター兼番組リサーチャーの辰井裕紀さんが、全国のEVドライバーに「ぜひ行ってほしい」スポットを紹介する本企画。今回は鳥取県の大人気店「回転すし北海道」をご紹介します。
はるばる来たぜ鳥取へ。

天気は曇天。しかし、この曇天こそが「日本海側に来た」という雰囲気を盛り上げ、歩を進める先に日本海の幸が待ち構えているのです。
そんな、お腹をすかせた旅人にピッタリのお店がありました。
人口が日本一少ない鳥取で「7時間待ち」も!?
JR鳥取駅から少し離れた道路沿いを南へ少し向かうと、晴れ間が見えてきました。そして横に長く存在感のある建物が姿を現します。
ここが1979年創業の株式会社すし弁慶が運営する「回転すし北海道 駅南店」です。鳥取なのに北海道!?

多くのローカル飲食チェーンがそうですが、この回転すし北海道もほとんどがロードサイドにあります。まさに車で乗り付けたい店なのです。
鳥取県の人口は日本最小の約52万人ですが、「北海道」は待つのが当たり前の大人気店。
筆者が見ただけでも「約120分以上」の表示がありましたし、お店の方によればお盆などは4~5時間、さらに「7時間待ちもあった」といいます。
これほどの人気でもお店の前に行列ができていないのは、EPARKというWebエントリーできる順番受付システムを利用しており、時間が来たらお店に行けばOKだから。効率的に時間を使えます。
今回は株式会社すし弁慶の本部事務所所長・西山亮太さんにお話を伺いながら、お店を堪能しましょう。
客前で魚をさばき、マグロ解体ショーも?
店に入ると……この活気!

最近は寿司を回転させない「元・回転寿司」的なお店も多くなってきましたが、この北海道は寿司がグルグル回ります。「やっぱり回転寿司は回ってなきゃ!」と思う人は筆者以外にも多いでしょう。
さすが山陰随一の人気店というべき活気で、来店客の目の前で魚をさばき、席に座るだけで思わず興奮します。中にはマグロ解体ショーを実施する店舗もあるとか。
暖流と寒流が流れ込む良漁場・隠岐の島の魚介類も毎日3~5種が日替わりで入荷し、「ヒラマサ」「連子鯛」など、あまり全国チェーンでは並ばないような魚も登場します。

そして活力を感じさせるメニューもそそる!

手厚い、手厚すぎる「ランチタイムサービス」
何にしようかな~? と迷う方に紹介したいのは、平日限定の「ランチタイムサービス」です。これだけ単品のサービスメニューを幅広く用意している店は珍しいのではないでしょうか?

まず「あら汁」が無料。
魚のうまみが溶け込んだ汁を味わい、手持ち無沙汰になれば、身をほぐして魚を余さず楽しめます。そんな「間が持つ」あら汁が無料なのはうれしい。

そのほかのサービスメニューの内容は都度異なりますが、数年前に来店したときには「ランチ限定三貫盛・竹」があり、基本のネタが3種類楽しめて190円というリーズナブルさでした。
そして……ネタがでかい! シャリが見えないほどで、「どうだ!」という単純明快かつ有無を言わせぬ説得力を感じさせ、頬張るたびに満足感に包まれます。

寿司のサイズが大きい理由は、創業者が起業した1979年当時、寿司はとても高級品だったから。
「だからこそ本物の商品を出したい」という意気込みで、薄いネタではなく、しっかりボリューム感のある寿司を目指したのが始まりなのだとか。
ちょっと珍しい「魚と野菜の串揚げ」(290円)はアツアツで満足感たっぷりの一品です。気軽にサクっといただけます。

いろいろ食べられる「三貫盛り」が主力!
なお、この日は「おすすめ三貫盛り」として、「ヒラメ・アジ・白バイ(貝)」を390円とお手ごろ価格で提供していました。ネタが輝く!

旅先での胃袋のキャパシティは有限ですが、少しでも多くの種類を食べたいもの。観光客向けの飲食店では「ミニサイズセット」もありますが、「地元民と同じものが食べたい」のも人情です。
だからこそ三貫盛りが主力メニューで、いろいろ食べられる「回転すし北海道」は、ありがたい存在。
その三貫盛りで一番人気なのが、三種のマグロを一気に味わえる「マグロ三昧」(480円)で、全体の人気でも4位です。「北海道」がとくに力を入れるマグロを心ゆくまで味わえます。

回転すし北海道の寿司は、滋味、芳醇さを感じ、噛みしめるのがうれしくなります。これぞ境港に近い強みでしょう。
鳥取なのに「北海道」のワケ
それにしても……鳥取にあるのに、「北海道」という屋号はいったいなぜ付いたのでしょうか?
創業者の渡部光典さんは北海道の「回転寿司とっぴ〜」で修行後に店を立ち上げたのですが、鳥取でお店を出す際に「『北海道』と入れてくれるとありがたい」と言われ、敬意を表す意味で「北海道」と名付けたそうです。

当初は北海道にちなんだものをいろいろ仕入れていたそうですが、「地元の魚こそ魅力」と、路線変更。大手全国チェーンにはない、地元・境港で水揚げした小ロットかつ鮮度のいい独自の魚を提供しています。
店舗限定かつ一時提供にせざるを得ないほど水揚げ量の少ないネタもあるので、一期一会なわけです。

心をくすぐる「3大人気メニュー」
ここで西山さんに「3大人気メニュー」を教えていただきました。
一番人気はみんな大好き「サーモン(トラウト)」(290円)。ノーマルでもオニオンスライスが付き、老若男女に愛されます。

二番人気は「炙りトロサーモン」(350円)です。アトランティックサーモンの脂の乗りが一番いいハラス(腹)の部分のみを使用。いわば「サーモンの大トロ」。

三番人気はその名も「超<特製>厚焼玉子」(190円)です。
全国畜産経営管理技術発表会の農林水産大臣賞を受賞した旭養鶏舎(大田市)の「石見銀山天領たまご」を、アカシヤ蜂蜜や北海道産のてんさい糖によりスッキリした甘みあるダシと合わせて客前で焼き上げ、熱々で食べられます。

来店時にこのうち1つも食べていなかったことを後悔しつつ、次は食べようと心に決めました。
鳥取と島根の両店で「自県の米を食べてもらう」
シャリにはコシヒカリと同等以上の食味をもつ地元産の「きぬむすめ」を使用。さらに「食味値」というおいしさの評価値を計測し、数値が「78」を上回る米しか使いません。

さらに鳥取県の店舗では、鳥取産の米を使い、島根県では島根産の米を使っています。そのワケは「お互いの県民は、自分たちの米が一番うまいと思っているから」。
島根県の店舗は松江市の学園通り店しかありませんが、その1店だけに粋な計らいをしているのです。
なお、人肌に温めたシャリの提供にこだわり、17分以上経った寿司を廃棄するルールですが、食品ロス率は約3%と少ないそうです。
妙にコメントを読んでしまう「ポスター」
回転すし北海道のウラ名物といえば、ポスター。農家や仲買人のコメント入りの写真が店に張り出され、ユニークかつ読ませる作りです。

西山さんによると、「鳥取・島根のローカル感を逆手にとって、あえて方言丸出しでコメントを書いたり、ユーモアを交えたりしている」そうで、お店の楽しさに拍車をかけています。

大手チェーンと戦える価格でありながら、互角以上の満足感さえ感じる「回転すし北海道」。
ちなみに小学生以下には、クジ引きでおもちゃをプレゼント。ローカルの鉄則「子どもの胃袋をつかむ」にも余念がありません。

太平洋側とはひと味違う日本海側、その中でもひときわ旅情を感じる鳥取・島根。
両県に全6店舗(うち1店は別ブランドの「すし弁慶」)を展開し、地元民のごちそうとして熱愛される「回転すし北海道」へ、さっそうとEVに乗って出かけましょう。
(一部画像提供:すし弁慶)
※記事は2026年3月時点の内容です。
回転すし北海道駅南店近のおすすめEV充電スポット
筆者:辰井 裕紀
ライター、番組リサーチャー。過去に秘密のケンミンSHOW(NTV系)などを担当し、ローカルの食文化と飲食チェーンを軸に、その土地で愛されるワケに迫る。著書に『強くてうまい!ローカル飲食チェーン』(PHPビジネス新書)。卓球とガジェットも好き。





