「長野県・北信エリア」そばと絶景とサウナ(文:徳谷柿次郎)

全国を旅する編集者・徳谷柿次郎さんが、各地で出会った「最高な場所」をつづる連載。初回は、彼が拠点とする長野・北信エリアからスタート。大切なゲストをアテンドする際に必ずお連れするというおすすめスポットを紹介いただきました。

暮らしも旅行も車が欠かせない時代だ。

「歩く」行為がもたらす身体性と景色の連動は、人間の適正サイズを教えてくれるものだが、あらゆる情報にさらされている私たちにとって「もっと遠くのこと“も”知りたい」欲求に歯止めはない。

車社会は加速するどころか、人間の身体感覚すら拡張してしまっている。もっと道具として車を使いこなすためには、知らない土地まで遊びに行く感覚を鍛えていくしかないと思う。旅行といえば少し身構える。遊びにすれば思いつきで出かけられる。

この小さな言葉の差異を認識すれば、日々の通勤だって週末のお出かけだって、好奇心が躍動する時間になるんじゃないか。なぜなら、日本はどこまでも道路がつながっていて、どこまでもインフラが整備されているからだ。

家に帰らないといけない理由は誰もが持っているけれど、短い人生の中で「全部無視して、どこか遠くへ行こう!」のカードが切れるのは現代人の特権だと伝えたい。つまり、もっと外に出よう。単調な日々の色彩に、知らない土地の景色を足してみよう。

そんなことを考えられるようになったのは、私が全国47都道府県を気ままに旅する編集者として10年以上のキャリアを積んだからだろう。

元々はペーパードライバーで、1年に一回の旅行先でビクビクしながらレンタカーを運転する程度。生活と移動の可動域はとても狭い生き方をしていた。そこに何の疑いも持っていなかったが、仕事で日本のローカルを取材し続けた結果、2026年は年明けの1月5日から函館→青森→秋田→長野までの片道8時間以上かかる一週間旅行をこなすようになった。すごい成長だ。

旅の愛車は2017年式の「デリカD:5」。妻と娘とラブラドール・レトリバーを連れて旅をした。やり遂げた感想は「なんとかなる」の一本槍で、大雪予報におびえながらガタガタの路面を走破し、日本海側の強風にあおられながら、命からがら無事に帰宅することができた。これは誰にでもおすすめしたいことではないが、人は移動に対しての免疫力が必要性に駆られて高まる能力があるんだな、と。

だって江戸時代に生まれた「富士講(=人生で一度は富士山を観に行くぞ!)」では、一週間以上かけて江戸から富士山まで歩いた距離は約120km以上。健脚でなくとも、一般人がぞろぞろと東海道をゆっくり歩いて辿り着くことができた。好奇心があればどこにだって行けるし、人類史を振り返ったら「生き残るぞ!」の行動選択が生存につながっているのは明らかなわけで、ただ座って運転するだけの車なんて気持ちの問題だけでは?

急に歴史を引用して、主語を大きくしてしまったので現実に引き戻したい。この手の論法には気をつけよう。私は、私。あなたは、あなた。江戸時代は江戸時代。現代は円安で海外旅行も簡単に行くことはできない……限られたお金と時間で小さな贅沢を追い求める日本旅行の新たな時代に突入しているのである!

長野駅から野尻湖へ。車で40分の贅沢な選択

東京に10年住んだ後、私は地方都市のリアルを味わうべく、長野市に移住した。家賃は安いし、家は広い。車で30分圏内にクオリティの高い温泉施設がたくさんあるし、1時間足を伸ばせばあらゆる自然にアクセスできる。食事のレベルはとにかく平均値が高くて、大手チェーン店よりも噂の個人店をめぐるのが週末の楽しみになっていた。

この生活に合わせて人生で初めて車を買った。2017年式の「スバル XV」である。半自動運転付きのSUVで、仕事で遠距離移動が多くなることを想定しつつ、雪山でスリップすることなく安全に運転できることを最優先にして選んだ。乗り始めて9年目に突入して走行距離は約10万km、前述の「デリカD:5」と二台持ちで移動を楽しんでいる。

補足だけど、EVにはいま興味があって目下リサーチ中。「スバルXV」を手放して、いまのところ「スズキ eビターラ」がライフスタイルに合いそうだなと思っている。太陽光パネルの問い合わせもしたばかりだ。このご時世、いったいどうなるやら……。

さて、そんな私があらゆるゲストを長野駅からアテンドする際、必ずお連れするおすすめスポット情報を伝えていきたい! 自分の生活圏におけるベストな選択肢でもある。ポイントは長野駅から車で40分圏内であること。人は40分ずつの車移動がとてもちょうどいいことが、私の生活研究によって明らかとなっている。もちろんエビデンスはないので、個人の体感値として捉えていただきたい。

おすすめスポット紹介

①鉄板ハンバーグの革命「ドンキホーテ 上松店」

まず1つ目は、鉄板ハンバーグの革命的なお店「ドンキホーテ 上松店」です。

この長野市のドンキホーテについては、以前一度取材もさせていただきました。南部鉄器の鉄板を使っていて、国内産の和牛を贅沢に一頭丸ごと仕入れているそうです。それを朝のうちに調理してハンバーグの挽肉にするので、めちゃめちゃ鮮度が良いです。食品衛生の管理も非常にしっかりされているお店なので、安心して食べられます。

鉄板で焼き、さらに遠赤外線の炭火で表面を香ばしく焼くことで、中が多少レアの状態でもおいしく食べられるんです。これが本当においしくて、マジで全国で一番、もしかしたら世界で一番うまいハンバーグかもしれません。東京からゲストが来たらほぼ確実に連れて行きますし、何度行っても毎回新鮮な気持ちで「おいしい」と思えるお店です。

付け合わせの小さな大根も絶妙。おすすめはエビフライのトッピングです。ソースは数種類ありますが、ジンジャーソースが個人的にはおすすめなので、ぜひ試してみてください。

参考までに価格は「俵ハンバーグ 180g」(1,080円)「俵ミドルハンバーグ 240g」(1,400円)これぐらいです。コスパという言葉は好きじゃありませんが、子どもからお年寄りまで通い詰める理由はここにあり!

②飯綱町で絶景をすする「そば処 よこ亭」

続いて、ロケーションが最高なそば屋!ドライブがてらに立ち寄ってほしい。長野市から車で20〜30分ほど北上したところにあり、すごく絶景な場所に位置しています。

東京ドーム15個分にも及ぶ自社農園で、そば「信濃1号」を自家栽培しています。標高の高さと立地から、霧(きり)が発生しやすいからこそ、そばの天敵である霜を抑えることができ、さらに寒暖差があることで旨味を凝縮させるのだとか。しかも石臼挽き! 本物の信州そばを掲げる自信は、長野県民の手間ひまを惜しまない職人気質からきているのかもしれません。

いわば地元の「クラフトそば」のような感じで、遠方から来た人を満足させられるそば処です。定番の「野菜天ざる」(1,350円)から「牛すじ煮込みそば」(1,300円)「にしんそば」(1,150円)「とろろそば」(1,100円)まで、メニューの豊富さも嬉しい。

本当に景色が最高なので、長野に来るならぜひ「よこ亭」に立ち寄ってみてください。天気が良ければ飯綱町から見えるこの盆地の絶景とともに、食事を楽しめます。

③食後のコーヒーで閃きを「パカーンコーヒースタンド」

続いてですね、手前味噌で恐縮なんですが、「よこ亭」の近くにある飯綱町の「牟礼」というエリアに、僕たちが運営している「パカーンコーヒースタンド」というコーヒーショップがあります。まだ地域に根づいて2年目の新人です。

営業日は木・金・土・日。営業時間は朝9時から夕方16時まで。少しチャンスは限られているのですが、もし週末に長野に来られるならぜひ立ち寄ってみてください。お昼ご飯を「ドンキホーテ」か「よこ亭」のどちらかで食べたあとに、コーヒーを飲みに来ていただければと思います。オーナー意識で丁寧語になっちゃいました。

コーヒー豆は、京都のスペシャルティコーヒー界で定評のある「sosogu」の平井さんにブレンドをお願いしています。たまたま京都のリサーチ段階で紹介してもらった人で、フィーリングが合いすぎてその場でお願いしました。

特徴としては豆の産地はあえて前に出さず、寒い冬に車中で飲んだときに安心感を抱いてもらえるような「ホットコーヒー」(550円)を目指しました。中深煎りの旨味感は、私の好みど真ん中でもあります。ほかにも「アップルコーヒー」(600円)「アップルカフェオレ」(600円)「ノンカフェインハーブティー」(500円〜)など、バリエーションが豊富です。

ここでは僕たちが作っている本や雑貨も購入できますし、駐車場も5台分あるので、立ち寄りスポットとしてちょうどいいと思います。セレクトの商品もあるのでぜひ!

④大自然の四季を味わうサウナ「The Sauna / LAMP」

そして、ようやく信濃町に入ります。僕も近所に住んでいるのですが、ここには大自然を体感できる美しい湖「野尻湖」があって、この湖のほとりにある「LAMP(ランプ)」という宿泊施設に、「The Sauna(ザ・サウナ)」というフィンランド式のアウトドアサウナ施設があります。

ここは日本でもトップレベルのサウナ施設で、遠方からはるばる多くの方がやってくる人気スポットです。東京圏のナンバーがとても多く、約3時間半のドライブもご褒美のサウナがあるから苦にならないそう!

アウトドアサウナの醍醐味は、四季によって景色も体感もガラッと変わること。どの季節もおすすめなんですが、雪解けから春の芽吹きが感じられる4月から5月は天国です。熱々のサウナから山から流れ落ちる水風呂にダイブ。時期によっては駆け足で野尻湖に入ることもできます。マジで気持ちいいんだよな〜。

もしサウナに入れなくても、LAMPでおいしいご飯を食べて周辺を散歩するだけで十分に楽しめます。昼食は「旬の焼き野菜カレー ドリンクセット」(1,880円)など4種あって、夜は「究極のサウナ飯 ラムマーボーご飯」(1,380円)「たっぷりチーズのクワトロピザ」(1,900円)「ラムソーセージ」(1,200円)などなど、サウナ終わりの身体に染み込むようなメニューばかり。お酒も豊富なので、翌日のことを忘れるためにぜひ宿泊前提で遊びに来てください。

信濃町の情報は、私が作ったガイドブック『A GUIDE to SHINANO-MACHI』(3,300円)を読み込んでください。宿泊すれば部屋にありますし、お土産として購入も可能。至れり尽くせりすぎるんですが、サウナ付きのトレーラーホテル『Earthboat(アースボート)』なら愛犬と一緒に泊まることもできます。愛犬フレンドリーな懐の広さも信濃町ならでは。車で15分走れば「黒姫高原ドッグラン」もあるので、家族とのドライブ旅行にもぜひ。

⑤ただボーっとしろ「野尻湖」

言葉は不要。身体で感じてください。

以上!

長野県・北信エリア旅行におすすめのEV充電スポット

著者:徳谷柿次郎
株式会社Huuuu代表取締役。ジモコロ編集長を8年務めたあと、長野県信濃町で集落暮らしを始めて、黒ラブと赤子と畑の世話に追われている。全国の旅は変わらず続けながら、思いついたことをどんどん形にしているターン。自著に『おまえの俺をおしえてくれ』(風旅出版)

※記事は2026年4月時点の内容です。

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