ライターの玉置標本さんに、全国各地のおすすめドライブコースを紹介いただく本企画。今回は香川県をピックアップし、「これぞエンターテインメント」と語る、讃岐うどん食べ歩きの楽しみ方を綴っていただきました。
ドライブと相性のよいのが「食べ歩き」。ラーメン、カレー、スイーツなど、どのジャンルを攻めるか迷うところですが、私が個人的におすすめしたいのは本場の「讃岐(さぬき)うどん」巡りです。
ご存知のとおり、讃岐うどんとは香川県(讃岐国:さぬきのくに)のうどんのこと。うどんの材料は小麦粉と塩と水だけですが、店主ごとの表現方法は実にさまざま。また店の雰囲気や注文システムも多種多様で、その違いを体感することが最高に面白いのです。
糖質はともかく脂質が少ないのがうどんの特徴(天ぷらを我慢すれば)。たとえ大食い体質でなくとも、1日3~4杯は食べられるのでは。もちろん1~2杯に絞ってうどん以外の食事や観光を楽しむのもよし。讃岐うどんの奥深き世界に、グイっとアクセルを踏んでみましょう。
お店のリストを作ろう
まずやるべきことは、気になる店のピックアップ。ネット上の食べ歩きレポートやグルメサイトのレビュー、うどん関連の書籍などを読み込んで、興味のある店の名前、住所、営業時間、人気メニュー、優先順位をリストにまとめます。香川県に知り合いがいれば、聞いてみるのもいいでしょう。
私が初めて計画したときは、行きたい店が30軒にもなりました。それもそのはず、うどん県とも呼ばれる香川県(日本で一番小さい県)には、うどん店が一説によれば500軒以上もあるのです!2006年公開の映画「UDON」によれば900軒!

続いての作業は、地図アプリへのマッピング。私のように香川県の土地勘がまったくない人間でも、これによって俯瞰してルートの選定が行えます。マッピングをしながら「なぜこんな所にうどん店が?本当にここ?」と驚くことも。ついでに近くにある観光スポットのチェックも忘れずに!

うどん店の「タイプ」を理解しよう
さて香川県のうどん店は、「一般店」タイプ、「セルフ」タイプ、「製麺所」タイプがあります。その中間みたいな店も多いですが、とりあえず概念として理解して、お店の絞り込みの参考にしてください。
「一般店」は、席に座って注文をして、店員さんに運んでもらう店のこと。普通の定食屋さんなどと同じシステムなので、初めて訪れる店でも困ることは少ないはず。

「セルフ」タイプは、まずカウンターでサイズと食べ方を伝えて、うどんを受け取る店のこと。全国チェーンの丸亀製麺などで食べたことがあれば大丈夫だと思いますが、自分でうどんを網ザル(テボ)に入れて温めたり、ダシを注いだりする店もあるので、多少戸惑うかもしれません。でもその戸惑いこそが旅の醍醐味です。


「製麺所」タイプは、飲食店や小売店に卸したり、店頭で麺を販売するのが本業であり、店で食べることも一応できるという店。システムとしては「セルフ」と同じ場合が多いですが、メニュー構成がシンプルだったり、営業時間が短かったりする場合があります。

ドライブコースを考えよう
さあ事前情報が揃ったら、自分だけのドライブコースを作りましょう。土日祝ともなれば人気店は行列覚悟なので、日程は可能であれば平日がベター。すべての店が「予約不可」だと考えてください。
コースを作るうえで注目すべきは営業時間です。多くのうどん店はランチタイムのみの営業ですが、朝早くから営業している店もいくつかあります。早起きは三文の得ということで、がんばって朝営業の店からスタートしてください。
どうせなら泊りがけで行って夜も食べたいという方に朗報です。高松の繁華街なら遅い時間にオープンする居酒屋兼うどん店がいくつかあるので、寝る直前までおいしいうどんを食べ続けることもできますよ。

ということで、「朝→昼前→昼過ぎ」で1日3軒食べ歩く場合の具体的なドライブコースを考えてみました。12時~13時ごろはどうしても混むので、可能であれば避けましょう。
いざ店に行ってみたら、臨時休業だったり、駐車場が満車で入れなかったり、売り切れていたり、もう一軒行きたくなった場合のことを考えて、予備のお店をいくつか押さえておくのも大切なポイントです。
讃岐うどん食べ歩きのサンプルコースを考えてみた
高松市周辺コース
香川県の中心地、高松市周辺を巡るコース。うどんと温泉を組み合わせてみました。高松で一番の歴史を誇る『ヨコクラうどん』、多加水麺が独特な『清水屋』、生卵付きの釜バターが人気の『手打十段 うどんバカ一代』などもおすすめ。
A案


これぞ地元で愛される人気店という雰囲気が味わえる
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釜揚げうどんを生卵入りで注文すると、あつあつの麺の下に卵を入れてくれる
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B案


早朝から公務員や会社員がうどんをすする、地域に根付いた人気店
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うどんがうまいのはもちろんだが中華麺も隠れた人気メニュー
丸亀・観音寺周辺コース
讃岐富士で有名な丸亀市周辺を巡るコース。金毘羅山のお参りと組み合わせることも可能。多加水麺が特徴的な『あかみち』、不安になるほどの山奥にある雰囲気最高の『山内うどん』、注文を受けてから揚げる天ぷらもおいしい『時とまるudon』などもおすすめ。


昔ながらの製麺所タイプで、茹でたてだからこその驚異的な歯ごたえが楽しめる
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飯野山を登るのも意外と楽しかった
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その名のとおり釜揚げうどんのセルフ専門店。茹で湯に浸かったあつあつのうどんの香りを楽しもう
いろいろ書いてみましたが、たかだか香川県に2泊3日×2回訪れただけのにわかファンによる提案です。「こっちの店に行かないと!」とか「その店ならこれを食べるべき!」という意見があって当然。
そもそもうどん激戦区である香川県内なら、どの店にいってもおいしいはず。「絶対に完璧なプランを立てて完遂しよう」と意気込まずに、「ちょっとうどんでも食べに行くか」と気軽に出掛けてみてはいかがでしょうか。
ある店主の話では、使える国産小麦粉の種類が増えて、店同士での情報共有が進んでいる現在のうどんこそが、歴史上で一番うまいそうですよ!
讃岐うどんの食べ歩き旅行におすすめのEV充電スポット
著者:玉置標本
食材の採取とそれを使った冒険的料理が得意なフリーライター。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。著書に『育ちすぎたタケノコでメンマを作ってみた』(家の光協会)、『捕まえて、食べる』(新潮社)など。
※記事は2026年3月時点の内容です。





